《第2回目》注目の「リファラル採用」 失敗する原因ってなに?!
こんにちは!
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HRコンサルティング事業を展開する株式会社ログシー(http://rogc.co.jp)、
『さとけん』こと、佐藤謙一です。
人材業界のトレンド、採用から働き方まで、幅広い領域の情報を、
様々な切り口でご紹介させていただきます!
今回は、
【第2回】「リファラル採用(リファラルリクルーティング)」について!(計3回)
前回、「リファラル採用が成功しない根深い原因とは?!」 と、
ネタ振りで終わってしまったので、このあたりを深掘りしてお話しします!
ちょっとだけ、前回のおさらい
「リファラル採用」とは
自社社員の、元同僚や学生時代の友人・知人から候補者を募り、
そこから採用選考を行う採用手段。
簡単に言ってしまうと、「お友達紹介」です。
そして、「全員人事」とも呼ばれる
社員全員がリクルーターとして候補者を紹介してくることから
会社が候補者を探す工数が省け、採用後のアンマッチが少ない、
採用から採用後の育成にかかるコストの削減・・・
など、多くのメリットが挙げられます。
ホント、いいことずくめですよね!
しかしながら、導入している会社は数あれど、成功例はほんの一握り。
それは何故でしょう?
もちろん、メリットがあればデメリットもあるのですが・・・
このデメリットの紹介の前に、前回記事の最後にネタ振りした、
成功しない「根深い原因」
これについてお話ししたいと思います。
キーワードは 「商品の魅力」 と 「温度感」!!
その商品は魅力あり?あなたは紹介できますか?
突然ですが、仲の良い友人に何か商品を勧める時に、
自分が良いと思っていない商品は勧めないですよね?
そうなんです!「リファラル採用」でいう商品、それは【会社】です!
「リファラル採用」は、紹介する社員にとって、大げさに言えば
「友人(候補者)の人生の判断」を背負う活動を行わせます。
「リファラル採用」で最も重要なのが、
社員の“協力度”です。
そのためには、自社が「紹介したい会社」であるのか?
何よりここが重要なのです。

「リファラル採用」の成功事例に、スタートアップの会社が多いのも
走り出しが故、社員全体の会社に対する期待やモチベーションが
高いからなのでしょう。
社員に対して帰属意識を高める施策の導入や、
ブランディング強化を怠っていないか?
改めて見直してみてください。
「温度感」ズレていませんか?
「リファラル採用」は、社員に対して、原則として義務でも強要でもありません。
「頼むから紹介してよ!」というスタンスになります。
但し、「謝礼もあるよ!こんなことやるから宜しく!」と、
漠然と依頼しているだけでは、制度は形骸化してしまいます。
一般社員からすると「頭ごなし」に感じたり、
そもそも面倒くさいと感じる社員も多いので、
「また何かやってるよ」と冷めた目で見られてしまいます。
私さとけんは、過去、会社の人事総務部門に所属していたことがあり、
これは経験を持って強く感じました。

とにかく「本気度」「真剣さ」をアピールし、
社員との温度感を近づけないと制度の成功は期待できません。
社員との温度感とバランスを重視して
「うまく採用できたらラッキー♪」というくらいの気持ちでいることも大切です。
社内で影響力のある社員に直接依頼をかけて採用事例を作り、
「あの人もやっているんだ」と、
制度の社内アピールをかけたりすることも効果的です。
私のいた会社では、(別施策でのケースですが)
『社長名』で、導入経緯とお願いを書いた、メールでなく「手紙」を
社員一人一人に配布するという手法で、
“いつもと違う”感を社員に植え付けた成功例もありました。
「現状の把握」が必要
「根深い原因」それは、
現状の会社と社員の関係性をちゃんと把握できていない
ことです。

この土台をちゃんと固め、制度導入の検討をすることが
「リファラル採用」の成功につなげるための第一歩になるのです。
「リファラル採用」のデメリット
ここまで、「リファラル採用」導入検討における下地作りの話しでしたが、
ここで、「リファラル採用」における代表的なデメリットをご紹介します。
●期待値の高騰・アンマッチの発生(リクルーターのスキル、レベルに起因)
社員個々により説明の仕方、内容が異なり、候補者が「ヘッドハンティングされた」「必ず受かる」と思ってしまうなど誤解を招く説明をしてしまうことがある。
●意識変化(転職顕在化への誘導)
候補者は自発的な転職希望ではないため、転職したいという意識変化へ誘導する必要がある。
●人的心情・人間関係の悪化
「リファラル採用」は、「紹介=採用」ではないため面接の結果、「不採用」となった場合や
採用に至った際、今までのフランクな関係がビジネスの関係となり場合によっては、上司と部下の関係になるなど、紹介者と候補者の人間関係の悪化やそうならないための会社側の配慮。
または、紹介した(された)社員が退職してしまった場合のモチベーション低下など。

このように、「紹介」という手段があっての採用方法となるため、
ファジーな要素を含んだデメリットも多く挙げられます。
社員のリクルータースキルは素人
これらのデメリットの回避方法としては、「社員研修」も一つの手段です。
新卒採用向けに行う、リクルーター制度というものがありますが
この制度ではリクルーターに選出された社員は、
スカウト力を向上させるリクルーター研修を受けることが一般的です。
教育を受けていない社員のスカウト力は
少し乱暴な言い方をすると、「素人」です。
スカウトレベルの均質化を図らないと、候補者へ伝える内容もバラバラになり
候補者へ誤解を生む説明をしてしまうこともあり得ます。
「リファラル採用」の制度説明、紹介者のリクルート活動に備え、
定期的に広い範囲の社員へリクルーター研修を実施しておくのも有効な手段です。
研修内で「リファラル採用」のきちんとした制度説明を行えれば
万一の人間関係悪化などのリスクヘッジや
制度の手続き、インセンティブなどの説明も行え、
「把握力」「動機形成力」「コミュニケーション力」
これらを向上させることは、社員の基礎教育にも寄与しますよね。
またリクルート活動を行う為に「自社理解力」を高めることは、
下地作りとして帰属意識を高める自社ブランディングの強化にも繋がります。

“「リファラル採用」導入のためだけに研修を行う”と考えなければ、
研修実施の検討も十分に費用対効果を望めます。
さて、次回
リファラル採用の話題の最終回
「リファラル採用」導入について
~インセンティブなどの法的リスクなど踏まえた注意点~
「リファラル採用」導入におけるコスト
~中途採用一人あたりの採用コストの相場などと比較~
を中心にお話しさせていただきたいと思います!
みなさまのご意見・ご感想などもドシドシお待ちしております!
それでは、次回またよろしくお願いいたします。
ログシーさとけん でした。
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