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【満員御礼】2017年8月30日(水)問題解決勉強会vol.3「魔の三年目、乗り越えさせ方教えます」


皆様、こんにちは。

先日、8月30日の問題解決勉強会vol.3が無事終了いたしました。 今回の勉強会も遠くは岩手からお越しいただき、 また、これまで開催してきた勉強会でも最多となる19名の方に ご参加いただきました。

18時30分からと遅い時間からの開催にも関わらずお越しいただいた皆様、 本当にありがとうございました。

そんな先日の勉強会の模様についてダイジェスト版でお伝えさせていただきます。

◆なぜ、新人・若手は簡単に辞めてしまうのか?

①新人・若手が簡単に離職する最大の要因は採用マーケットである

学生が新卒として入社するに当たって、簡単に内定をもらえてしまうため、 就職活動に対しての危機感が全くと言っていいほどありません。 だからちょっと嫌なことがあれば簡単に「辞めてしまおう」というのが

1年目に多い理由なのです。

そして3年目に多いのは「もはやこの会社で得るものがない」という 刺激不足が故に辞めていくことが多いというのが現状です。

いくら石の上にも三年と言っても、世の中は人不足だという情報がすぐに出てきます。 現在の3年目の有効求人倍率は1.61倍。従業員300名未満だと6.45倍ともはや天文学的数字です。 慶応、早稲田クラスであれば4社、5社内定がもらえるのが当たり前です。

現在の3年目が入社してきた辺りから体感ベースで変わってきていて、 いまの新人・若手に就職活動はどうだったかと聞くと「簡単でした」という答えが

普通に返ってきます。

昔は上の世代が自分たちの時と比べるといまの就職活動は簡単というのはありました。 しかし、その時に就職活動をしている学生に聞くと難しいという。

これがいまの学生は就職活動が簡単だったと当たり前のように言うのです。 それぐらい選考に落ちるということがなくなってきているのです。

ちなみに先ほど慶應、早稲田クラスだと4社、5社の内定が当たり前と言いましたが、 どれぐらい受けての4社、5社かと言うと、だいたい5社、6社受けてです。 ほとんど選考に落ちないため、たくさんの会社を回るだけのスケジュールがない

というのが現状です。

その上、中途採用マーケットでも非常に売り手市場になっています。 ハローワークが発表している有効求人倍率が1.51倍です。 これは43年ぶりの高水準です。この数字は正社員以外にもパート・アルバイト・契約社員も

含んでいます。

正社員のみの有効求人倍率でも1倍を上回りました。これは統計が始まって初めてのことです。 そして昨年6月には47都道府県全てで有効求人倍率が1倍を上回ったのも

統計が始まって初めてです。

また、ハローワークのデータは全体の統計のため年代別のデータは出ていません。 20代から40代、50代、60代まで入っているため、20代の若い人だけに絞れば もっとデータは跳ね上がることは容易に想像できます。

このように日本の採用マーケットは究極に売り手市場になっているため、 入社後も従来のロジックが通用しなくなっています。

昔は、そんな簡単に辞めるような奴は他で通用しないと言っていましたが、 現在は新卒も中途も究極に売り手市場となっているためいくらでも求人があります。 簡単に辞めても簡単に仕事に就けるというのが実態なのです。

しかし、大手だけは違います。大手は第2新卒では入れません。 新卒が採れない中小企業にしか第2新卒は入れないのです。 この正しい情報を知らないため簡単に辞めてしまうのです。

また、辞めてフリーターになる人間を止めれなくなってしまっているという現状もあります。 なぜなら、人不足になっているのでアルバイトの時給単価が異常なほど上がっているからです。 そのため、アルバイトをしているフリーターが新卒の給料を上回る現象が起きています。

ここまで人不足となっているため大手のアミューズメント施設でも アルバイトを集めることができなくなっています。

一部の企業ではアルバイトを全員正社員登用に切り替えるということも発表されましたが、 実はアルバイトよりも正社員にした方がコストが安くなるのです。 アルバイトの時給は上げれても、正社員の基本給は簡単には上げれないからです。 なぜなら、新卒1年目を上げるとその上も上げないといけないからです。 それぐらい今は正社員で働くということに対してハードルが下がってしまっているのです。

②若年層の離職率が高い理由とは?

大卒入社の3年間での離職率は32%、短大卒入社だと41%というデータが出ています。 しかし、実は1年目の離職率が最も高くて12~13%となっています。 2年目、3年目の離職率は変わっていないため、1年目の離職率を抑えれば 離職率を下げることができるのです。

また、いまの新人が辞める理由というのも、上の世代が考えるような 職業モラルがないので考えられないような理由で辞めていきます。 そして辞めるときに親が出てくるため、そこまで行くとどうしようもなくなり辞めることを 了承せざるを得ないというのが現状です。

いまの若い人たちを辞めさせないための対策は、当人への対策はもちろんですが 親御さんへの対策も必要となってきています。

そのため大人ぶって対応すると辞めてしまいます。 職業モラルがあると思って対応するとものの見事に裏切られます。

先ほど3年間の離職率が32%と言いました。つまり同級生の中にも3人に1人は辞めているので、 辞めることがイコール負けではないのです。そして辞めた人間が失敗していないのです。 また、各社が新卒3年目までに辞めない方が得だというだけの給料を出せていないのも実情です。

いまの若い子は辞める理由も不満だったり嫌いで辞めるわけではありません。 感謝して辞めていきます。なぜ辞めるかと言えば別の仕事をしたいと思ってと 前向きに辞めていくのです。 嫌で辞めていると逃げだということもできるのですが、前向きな理由で辞めたいといわれると 説得することがかなり難しくなります。

③若手を辞めさせない手法

若手が簡単に辞めてしまうのは、人事・会社と若手がつながっていないため、 人事・会社がグリップ出来ていないということも原因としてあります。 若手が派遣社員のような働き方をしているので辞めることが軽くなっています。

そしてグリップが入っていないので、辞める相談をしてきた時に引き留めることができません。

若手にグリップを入れるためには1年目の研修の時に人事・会社との信頼感を

作らないといけません。 飲み会、社員旅行など昔の発想での帰属意識ではグリップが入らなくなっています。

一番いいのは定期的に面談を行うことです。

3ヶ月に1回などのペースで人事が巡回していくのです。

そして、1年目にしっかりとモラルを教える研修を行います。 モラル教える研修とは何かというと、 ・働くとは何か? ・キャリアとは何か? ・どうすれば人生設計がハッピーになるのか? ・正しい労働マーケット、どうすれば給料が上がるのか? ・どうすれば転職して給料が上がるのか?  いまの若手は転職することを前提に考えているので、  それなら隠さずにこちらから正しい転職の情報を伝えて上げる

このような正しい情報、リアルな情報を1年目にしっかりとしておけばグリップが入るので、 離職の相談が来た時にも、面談で止めることができるのです。

これを1年目の最初にきちんと言っておけば3年目の研修で効果が出てきます。

なぜ、最初の研修で言わなければいけないのかというと、 会社のことが嫌いになる前にちゃんと言っておかないと後から言ってしまうと 言い訳に聞こえてしまうからです。

1年目にしっかりとモラルの教育をした上で、 2年目、3年目ではキャリア=市場価値の上げ方(給料の上げ方)を リアルに説明していく。

そして転職の実態をリアルに話すことが重要です。 特に人事の方は中途採用で応募してきた中でどんな履歴書だと採るのか? 採らない履歴書とはどんな履歴書なのか? 理想論やきれいごとではなく、実態をリアルに伝えて上げることが一番効果的です。

また、私たちが研修でキャリアの話をするときに必ず伝えることは労働基準法の話です。 日本は労働基準法の基に労働マーケットが成り立っています。 日本で1年間に転職する人の割合…5%(この実態を分かっていない人が多い) アメリカだと30%

この違いは何なのか? アメリカでは解雇が合法であり、 日本では解雇は違法となります。

この法律の違いがあるため日本では転職マーケットが活性しないのです。

ではなぜ、日本では新卒採用が活性化するのか? 新卒は教えやすくて、育てやすくて、怒りやすいからです。

35歳を超えると教えにくくなるから、教えられる求人がなくなります。 35歳までに教える側のスキルを身に付けると35歳を超えたときに 教える側の求人があるので給料が上がるということです。

早く教える側のキャリアを身に付けるためには、最初に入った会社で 辞めずに続けることが一番近道なのです。

その前に辞めてしまうともう一度スタートに戻ってしまう。

では、どうすれば教える側に回ることが出来るのか?

3つのフェーズに分けて教えます

・入社1~3年目 義務教育…言われたことができるようになる(適応する)  →言われたことができるようになると必ずマンネリ・飽きる・慣れるがくる   仕事って飽きるということを教える。仕事が楽しいと教えるから誤解が生じる   働き方を変えなければいけない

・入社4~10年目 言われなくても行動に移し、上司・先輩・会社を喜ばせる  →先出しをしないと給与は上がらない   大事なのはいまの上司を喜ばせていないのに、どうして他の会社を喜ばせることが

  出来るのか?   喜ばせることができる人が結果出世する

・入社10年目以降 出世したらとにかく3年続ける  →3年続けることができれば曲がりなりにも教えることができると会社が証明してくれる   その職務経歴書があれば教える側の求人で転職できるから給料も上がる

と労働基準法から正しい情報をしっかりと教えてあげると簡単に辞めなくなります。 そして、ここまで理解し働き続ければ、会社内で出世しているので簡単に辞めなくなります。

日本の大手企業は新卒採用しか入社する方法がありません。 労働組合があるため中途採用ができないというのが実態です。

しかし人不足であることは変わらないため、大手企業の冠がついたダミー会社を作ります。 そこで中途採用を行い出向扱いで働きますが、給与体系が違うため給料が上がらないのです。

◆魔の三年目を乗り越えさせる具体策(Q&A)

続いて、実際に参加された方がリアルに抱えている問題について ここからは株式会社ログシー 代表取締役 山田 卓司(http://rogc.co.jp/)も 加えて参加者のお悩みをREALに解決していきました。

①後輩指導をしない、させたい

後輩指導は仕事だというアプローチをすると後輩指導をしたがりません。 だからキャリアの話と絡めて説明していきます。

一生懸命育てて、後輩指導をして辞めてしまうのは仕方ないが、 辞めさせたこともない上司は仕事ができない=給料は上がらないと教えます。 仕事というのは、プレイヤー → プレイングマネージャー → マネージャー と ステップアップしていきます。

つまり、給料を上げようと思ったら部下指導をしないと上がらないと言えば 後輩指導をすることにも納得します。

②自ら考え行動したり、リーダーシップを取ってほしい

言われたことができるゾーンから言われなくてもできるゾーンへ転換するときに 言われなくてもできることは何かということをしっかりと考えさせることがポイントです。

また、上司に任せてしまうと上司の属人性となってしまうので 出来る上司しかできないとなってしまいます。 だからこそ研修などでちゃんと教えていくことが重要となります。

③女性のキャリアについて

結婚や出産のことを社内や人事が聞くのはセクハラ・パワハラと言われかねないので 研修などの時に代わりに聞いて欲しいと言われることがよくあります。

また、その時に話をすることは人生設計をリアルに考えさせることです。 何歳で結婚して、子供が生まれたら大学まで行かせたいのか?など。 そうすると、何歳の時にどれぐらいの年収がないといけないのか? 大学に行かせるためにはどれぐらいの費用がかかるのか? これらをリアルに教えると、ちゃんと理解ができるので真剣にキャリアのことを考えます。

また、女性社員から伝えるとセクハラにもならないし、

実体験に基づいた話になるので効果的です。

営業や販売から事務系に変わりたいという女性社員にはどう話せばいいのか?

営業や販売から事務系に変わりたいというのは楽な方へ行こうとしているのが見えます。 重要なことはキャリアを上げるには専門性が必要であり、

長く働くことが専門性につながるということです。 ただし、ダラダラ働いて、言われたことしかできないのでは

意味がないことをきっちり伝えます。

④内定者の段階でしておけばいいこと

社内の人たちとの人間関係を作っておくことが一番です。 1年目、2年目の選りすぐりの人と関係性を作らせます。 若い人同士で連動させておくのが一番で、上の世代の人たちは入社後で十分です。

また、社内の人との関係性を作らせるということでしたら、 ちょっとした仕事体験で営業同行などをさせる会社などもあります。 とにかく人と絡ませるというのが一番のポイントです。

⑤現場に派遣させる場合の離職率の下げ方

私のお客さんでも現場に常駐する形のビジネスを行っている会社がありますが、 そういった会社ではチーム制を敷いて、無理やりコミュニティーを作らせています。 それを習慣化させて会社としての文化にしています。 ちなみにその会社は10年ぐらいかかってようやく浸透してきました。 一瞬では効果が出ないので、地道にやり続けることが重要です。

⑥素直で良い子なのでお客さんに言われたことを全部聞いてしまう

いまの新人で離職が高い職種は営業・販売系です。 社内のマネジメントはだいぶ緩んでいるが、お客さんは新人だからと言って 容赦はしてくれません。

尚、これらの対策は2つあります。

1つ目は配属を遅らせるということです。

その上で1年目はOJTで必ず横につかせて経験させていきます。

2つ目はフォローアップ研修を細かくするということです。 細かくフォローアップ研修を行うことでメンタルのフォローを入れるタイミングを

早められるので離職防止に繋げることができます。

⑦新人を育てたがらない

若い人が育てる場合は言い方を変えた方が良いです。 若い人に指導まで任せてしまうと自分の業務だけでもいっぱいになっているので、 新人へのパワハラなどにつながったりします。

そこでメンターやブラザー・シスターという形でメンタルのフォローだけをさせます。 新人からの相談に対して分かる分かると同調し、問題解決はしなくていいというスタンスを 取らせるということです。 メンターは同じ部署よりも他部署の先輩で斜めの関係の方が相談しやすくなります。

30代前後であれば指導員という形で仕事をしっかりと教えさせます。 逆に年齢が離れてしまうとメンタルのフォローができないという課題があります。 一番ベストは指導員とメンターの2人をつけることです。

⑧欲がない

出世や稼ぎたいという願望はいまの若い子からは出てきません。 将来、どれだけ稼ぎたいと聞いても出てきません。 しかし、将来どんな幸せが欲しいと聞いて逆算して説明してあげると ちゃんと理解できます。

⑨現場の長が新人・若手のことを理解していない

上の人を変えようとしても反発してきます。 だからと言って無視をしても抵抗勢力となるので、 上の人には現状を理解してもらうということが重要です。

その上でまずは1年目の新人の教育をしっかりと行っていくことが重要です。 2年目、3年目への教育は途中から始めると効果がないわけではないが、 話を聞いて納得はしても、研修を受けて急にスタンスを変えられないというのが 大きな原因です。

今回、全ての質問にお答えできたわけではありませんが、 お時間となりましたので本日はこれで終了とさせていただきます。

ありがとうございました。


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