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【ご報告】2017年9月21日(木)問題解決勉強会vol.4「教えて!後輩の育て方」


皆様、こんにちは。

先日、9月21日の問題解決勉強会vol.4が無事終了いたしました。

18時30分からと遅い時間からの開催にも関わらずお越しいただいた皆様、

本当にありがとうございました。

今回は12名の方にご参加いただき、後輩指導に困っている若手を どう指導すればいいのか?また、実際に後輩を持っていて どう育てればいいのか?ということをダイレクトに悩んでいる方もおり 色々な角度から充実した勉強会になったと感じております。

そんな先日の勉強会の模様についてダイジェスト版でお伝えさせていただきます。

◆平成生まれのトレーナーが平成生まれの新人を育てるポイント

1.先輩からの教えは通用しないことが多い

「普通」の違いを知る

なぜ、先輩からの教えが通用しなくなっているのか? その原因は大きく2つあります。

①育ってきた時代背景の違い

平成生まれの新人は学校の教育のほとんどがゆとり教育で育ってきています。 ゆとり教育という言葉は既に周知の言葉ではありますが、 ゆとり教育の本質は何かということを説明できる方というのは少ないのではないでしょうか? しかし、このゆとり教育の本質にこそ、先輩からの教えが通用しなくなっているという 要因が隠されているのです。

そのゆとり教育の本質とは何か?ズバリ「評価制度」が違うのです。 ゆとり教育以前というのは相対評価でした。 成績の5段階評価では1~5の割合が決められていてその割合に沿って 成績を付けていました。 つまり、テストの点数がいくら良くても、他の人も同じように点数が高ければ 良い評価を得ることができなかったのです。 結果、周りとの比較競争の中で育ち、結果を出すことを目的に育ってきたのです。

では、ゆとり教育の評価制度はというと「絶対評価」に変わったのです。 絶対評価とは個々人の頑張り・努力にフォーカスするため、 テストの点数が仮に60点だったとしても、以前の点数が40点であれば +20点の頑張りを評価するというものです。 この絶対評価では極端な話、クラスの全員が5をもらうということもあり得るのです。 つまり、過去の自分との比較で育ってきたため、頑張ることが目的化されているのです。

そんなゆとり教育がいつから始まったかというと、2017年現在30歳になる世代の人たちが 中学3年生の時からゆとり教育が導入されました。 つまり、この世代というのはそれまでは相対評価で育ってきているのです。 ここから徐々にゆとり教育の絶対評価で育ってきた時間が徐々に増えていき、 2017年度入社の今年の新入社員(23歳世代)では、小学2年生からゆとり教育で育っているため ほぼ絶対評価だけを受けて育ってきたようなものなのです。

さて、本題の先輩の教えが通用しなくなっている原因ですが、 ゆとり教育が始まった当初の人たちは、相対評価を受けてきた時間の方が長いため、 ゆとり教育以前の上司・先輩の教え方も理解できていました。

しかし、彼らがいざいまのほぼゆとり教育だけを受けてきた後輩に 教えようとすると、自分たちは相対評価の指導を受けてきたため、 後輩にも相対評価の教え方をやってしまいます。

すると、後輩は相対評価の経験がほぼないため教え方に対してストレスを感じてしますのです。

つまり、相対評価と絶対評価の両方を経験し、どちらのことも理解できるトレーナーは 自分が教わった相対評価の教え方を絶対評価の教え方に変換して 後輩に教える必要があるのです。

この変換の仕方を教えてもらわないと、先輩の教えをそのまま伝えようとしてしまい 後輩指導が上手くいかなくなってしまうのです。

②採用マーケットの変化

そして、もう一つの先輩からの教えが通用しなくなっている要因が現在の採用マーケットです。 ご存知のように現在の採用マーケットは超売り手市場です。 新入社員などは普通に就職活動をするだけで当たり前のように内定をもらうことが出来ます。 つまり、いまの若い世代は就職活動で苦労したという経験がないのです。

また、新入社員の内、3年以内に辞める人というのが3割以上います。 同級生で3人1人は転職をしているのが実情のため転職することに後ろめたさがありません。 ましや、現在はハローワークの有効求人倍率も1.52倍と43年ぶりの高水準を記録し、 正社員の有効求人倍率も1倍を上回っています。 そして、47都道府県すべてで有効求人倍率が1倍を上回っているという状況です。 つまり、転職に対して後ろめたさもなく、転職活動でもすぐに内定がもらえてしまえる

状況のため、トレーナーが少し厳しく指導したら、踏みとどまることもなく

辞めてしまう環境なのです。

昔は厳しいことを言われて辞めたくなっても、次の転職先のことなどを考えると 簡単に辞めてしまうことに対してストッパーが掛かっていました。 いまは、そのストッパーがほとんど機能していないため、

後輩指導がより一層難しくなっているのです。

2.役割の一つは“交通整理”

このように後輩を育てることが難しくなってきているからこそ、 トレーナーには後輩を育てる上での役割をハッキリとさせてあげる必要があります。

もちろんトレーナーですから、業務を教えることは当然なのですが トレーナーも全ての業務を教えられるわけではありません。

そんなときは、その業務が滞ることなく円滑に回るように 導いていけばいいということをトレーナーには教えて上げてください。

つまり、仕事の交通整理をしてあげるということなのです。

交通整理とはどういうことかというと、トレーナーが自分では教えられない 業務を後輩に指示しないといけない場合や後輩から質問された場合に どうすればいいのかということなのです。

もちろん分かる人に聞けばいいというのが一番の近道なのですが、 分かる人も常に教えられる体制とは限りません。 ましてや分かる人に任せてしまうとトレーナー自身はいつまでたっても その業務を教えることもできません。

そこでどうすればいいのか?ということを一緒に考えるということが出てきます。

しかし、やみくもに考えても正しく導くことはできません。 そんなときに後輩に必ず伝えることが2つあります。 それが“目的”“期限”です。 なぜ、その業務を行うのか?いつまでにその業務を行えばいいのか? この2つだけは必ず教えてあげるようにトレーナーには指導します。

その上で“目的”と“期限”を外さないように業務を行うために どうすればいいのか?という“目標”“方法”は後輩に考えさせる もしくは一緒に考えていきます。 この“目標”と“方法”が間違っていなければ、そのままGoを出し、 間違っていれば再び考えさせることで後輩の成長にもつながっていきます。

もちろんトレーナー自身も“目標”と“方法”が分からない場合は、 分かる人に報連相をして確認することを忘れないように指導してください。

3.“チーム指導”で育成の分業化をしてあげる

最後にトレーナーは後輩の指導をしながらも自分自身も多くの業務をこなさなければ いけないということが往々にしてあります。 そんなトレーナーに後輩指導を任せっきりになってしまうとトレーナー自身が その負荷に耐え切れずに潰れてしまうことがあります。

そのような状況にならないようするために育成を分業化してトレーナーの負荷を 軽減してあげることが仕組みとしてあるとより良くなります。

その仕組みが「6つの関係」を作らせるということです。  ①部下とトレーナー 仕事を教える  ②部下と同期 研修などで絆を深める  ③部下とメンター 他部署の1つ2つ上の先輩との斜めの関係性(メンタルフォロー)  ④部下と上司 トレーナーが分からないことを一緒に教えてあげる(チーム指導)  ⑤部下と人事 育成計画の共有や面談(メンターなどがつけれないときに代わりに)  ⑥部下と会社 寮や社員旅行、運動会など(会社への愛社精神を深める)

このように役割を分担してあげることでトレーナーの負担を軽減することが出来、 部下がトレーナーだけでなく、いろいろな人とつながりを持つことで 結果的に離職防止にも繋がっていくのです。

また、この「6つの関係」の中に出てくる育成シートの使い方を最後にお伝えしました。 この育成シートは弊社のクライアントも実際に活用しているノウハウでもあります。

育成シートを作る際のポイントは2つ  ①1年後と四半期の目標は上司とトレーナーで考える  ②毎月の目標はトレーナーが考える

1年後と四半期については会社として、1年後どうなってもらいたいのか? そのために何を身に付けなければいけないのか?という大枠となります。

その1年後の姿に合わせて、1ケ月は何をする、2ヶ月目は何をすると考えれば 計画が立てやすくなります。

また、1ヶ月ごとの目標についてはクリアできなければ翌月に持ち越しながら、 その都度、計画を微調整していき、最終的に1年後の目標が達成できればいいので トレーナーの負担軽減にもつながるのです。

◆平成生まれのトレーナーを育てる具体策(Q&A)

続いて、実際に参加された方がリアルに抱えている問題についてお答えしていきました。

①若い子を指導するときに「安心・安全」が大切なのは分かるが、  ビジネスは理不尽なことも当然出てくる。そういったことをどう教えればいいのか?

→一気に負荷を与えるのではなく、少しずつ与えていく。  理不尽を細切れにしていく。後で分かるでは通用しない。  失敗から学ぶが通用しない。→つまずかせるに変えないといけない。

②5年後の目標なども上司や人事が考えた方がいいのか?  0~1年を考える方がいいのか? 5年後から逆算の1年後を考える方がいいのか?

→考えてもいいが修正が入るという前提で考える  会社によってやり方は変わってくる。  現場の人の意見も入れる。

③トレーナーが自分のことでいっぱいになるため、どのようなトレーナー教育をしたらいいか?

→内製できることと外部に任せたいいことがある  トレーナーとしての動機付けなどは外部に任せた方が良い  業務スキルなどの教え方については内製でも教育できる

④メンターの設定時期をどう考えればいいのか?

→部下のメンタルが折れる時期が早くなってきているので早めにつけた方が良い。  新入社員研修の最終日などに顔合わせをするなど

今回、全ての質問にお答えできたわけではありませんが、 お時間となりましたので本日はこれで終了とさせていただきます。

今回ご参加いただいた方からの反応や皆様からのご要望があれば 第2回の開催も検討していきますので、皆様からのお声もお待ちしております。

#研修QA #研修ノウハウ

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