17年度ルーキーシップ研修 活用事例

ルーキーシップ研修 活用事例 その1
「新入社員が受けた研修を、
トレーナーにも共有したい。」
~ルーキーシップ研修参加後、如何に学びを継続させるか?~
専門機器リユース事業者 様
2017年 7名ご参加
■課題:新人への研修は上手くいった。しかしトレーナーが・・・。
弊社代表 柘植が登壇したシンクタンクでのセミナーを受講していただいたこともあり、研修内容に関しては説明するまでもなく把握しておられ、必要性を感じていただいておりました。⇒ 2017年ルーキーシップ研修
ゆとり教育、大学全入時代、超売り手市場の中で入社してきた彼らに行うべき研修をすでにご理解されたおられました。
ルーキーシップ研修の受講を選んだ決め手は、
①新入社員が入社して訪れる3つの筋肉痛(成長痛)について
②うまくいかないことを成長のきっかけとするための自責サイクルについて
③人間関係が良好になるベター報連相について
を新入社員に伝えてほしいとのことでした。
ルーキーシップ研修に連動させ、社内でも約1か月ほど研修を行うことをお聞きしましたので、そちらのプログラム作成のお手伝いもさせていただきました。
約1か月にわたる新入社員の研修も無事終え、報告会で伺った際に1つ課題があると伺いました。
「新人を指導する先輩トレーナーに、研修内容を理解させたい。研修した内容とは違ったアプローチをトレーナーがしてしまう恐れがある。」
そこでトレーナー研修の実施をご提案するも、予算の問題以上にトレーナーの業務を止め、1日研修に参加させることが難しいとのことで却下。
ではということで、半日程度のシンクタンクなどが開催している公開セミナーへの受講を進めるも、本研修との連携や同じ講師による研修でないと、ダブルスタンダードになりかねないとのことでこちらも却下。
そこで、あるご提案をしました。
「2時間でいいです。7月頃に新人、トレーナー全員集めてください。そこで向き合わせましょう。」
■マル秘活用方法:ルーキーシップ研修の内容を、新人とトレーナーに議論してもらう。
7月初旬、社内勉強会を実施していただく運びになりました。
主催はクライアント、講師もクライアント、弊社は課題発見のための事前アンケートの作成・分析と、プログラムの作成、当日のファシリテーションのお手伝いを担当。
勉強会は、業務時間内に2時間だけ職場を抜けていただき近くの公民館で行いました。
(このご調整がやはり大変だったそうです。)
事前アンケートは、新入社員には「今、感じている筋肉痛」、トレーナーには「新入社員に感じること」をテーマに実施。
双方のアンケート結果より導き出された課題は、「指示の出し方・報連相のルール化がなされていない」ことでした。
新入社員にはルーキーシップ研修内で、
「はじめはうまくいかないことが9割だから、すべてすぐに報告を上げる。とにかく抱え込まない。」と伝えてます。彼らはその教えを忠実に実践していました。
人事担当者様はじめ部門長の意見としても、わからないことを抱えて業務が止まったりクレームになると困る。また抱え込み悩み、相談できずに退職につながっても困るとのことでした。
一方トレーナーは、より高い報連相を求めていました。
・もっと指示の意味を理解して報告してほしい
・呑み込みが悪い
・自分で調べてから相談に来てほしい 等々

↑トレーナーから出た意見
そこで新人・トレーナーを一同に集め、ルーキーシップ研修内で行ったベター報連相の講義を再度実施し、講義内容を基に双方でディスカッションしていただく事にしました。
↓ 以下、プログラム ↓
00:00-00:10 勉強会ガイドライン(弊社)
00:10-01:00 ベター報連相について(クライアント)
01:00-01:10 ディスカッションへの誘い(弊社)
01:10-01:40 講義内容についてディスカッション
(クライアント)
01:40-02:00 各自振り返り(クライアント)

↑勉強会用に提供した教材「できる社会人が指示を受けるときにする2つの質問」
新人には4月の研修を再度思い出してもらい、さらに上を目指すためにはどのような行動をとればよいかを考えてもらい、
トレーナーには、講義を聞いたうえで自分たちの指示の出し方に問題はなかったか、報連相を受ける際に気を付ける点はなかったを見直してもらいました。
業務上日々コミュニケーションをとっていますが、「報連相」をテーマに仕事を離れて議論した経験は当然のごとくありません。
しかし、業務を遂行する上で重要なスキルである報連相について議論することで、する側、受ける側でお互いがしてほしいことが違うということに気付けたかと思います。
お互いの意見を出し尽くした様子で、最後は笑顔で職場に戻っていかれました。
■効果:共通言語によるコミュニケーション

勉強会を実施した結果、以下のような効果が生まれたとの報告をいただきました。
・新人とトレーナーの中に、報連相についての内容、頻度、タイミング、形式、などのルールが決まった。
・定期的に業務外で面談を実施することが決まった。
・トレーナーの指示の出し方が格段に良くなった。
・新人が、事実・推論・断定を意識して報連相するようになった 等々
双方に歩み寄りが生まれ、指示を出す側の気持ち、報連相をする側の気持ちを理解できたとの事でした。
そして何よりも、コミュニケーションに共通言語が生まれたことが一番の成果だとおっしゃっていました。
「研修を研修で終わらせない。研修後の行動にフォーカスする」
我々が常に意識して教育させていただいていることを、より効果を出すために実践していただいた好事例だと思います。
引き続き継続して実践していただけることを、我々は期待しています。